わたるの日記

教育(学び、小中学校、特別支援など)について

タブレットでの全体への意見共有

タブレットでの学習が小学校で進んでいます。

政府は昨年度1人1台タブレットを支給する方策をとりました。

それによって、授業の中でタブレットを使う機会が増えました。

その中で、タブレットで子どもたちの意見を集め、全員の意見をモニターに一斉に表示するというのがあります。

今までは一人一人の意見をざっと確認するにも、例えば、紙に印刷しなおして配ったり、一人一人順番に発言していったりと、時間と労力の点で大変でした。

しかし、タブレットがあれば、時間も労力もかけずにできるということで、どんどん取り入れていこうという声が出てきました。

ですが、ここで一つ考えもらいたいことがあります。

それは、発達に課題がある子、勉強についていくことがしんどい子などの視点で考えてみてもらうことです。

授業には、その勉強が得意な子もいれば得意でない子もいます。得意でない子にとっては、みんなの前で答えることは苦しいことで避けたいことだったりします。

「間違っているの嫌だな」「全然書いてないやんって思われないかな」

本音ではそっとしておいてほしい。

もしたくさん当てられて、答えなくてはならない状況に追い込まれれば、

そもそも嫌な思いを感じなくするために、授業に参加しないという行動に向かうかもしれません。

「授業では一部の子しか発言しなくて困っている」という声もありますが、苦手な子にとってはそのおかげで恥をかかずにすみ、そのクラスの中で学び続けることができているという面があるのです。

もしタブレットで全員の答えを提示することになればどうなるでしょうか?

子どもたには、「なにかしら書かなければならない」とプレッシャーになります。

紙で提出であれば書けない子も最悪白紙で出すことができました。

ですが、タブレットでは一人だけ何も書いていないというのは避けたいと思うはずです。

また一人全然とんちんかんなことを書いていたらどうでしょうか。

周りからの直接的な声はなかったとしても、恥ずかしい思いをするかもしれません。

これらのことから、タブレットによる全員への意見共有は、勉強が苦手な子にとってはしんどいことなのです。

よって、タブレットでの意見共有は、そのよさを感じつつも、どこかでしんどさを感じている子がいるかもしれないという視点を持ってほしいのです。「共有がいい」となんでもかんでもするのではなく、これはというもので選んで実施する。「思いつかない時は何も書かなくてよいよ」と追い込まれ過ぎないように声をかけておく。なにかしらの配慮をしつつ取り組めるとよいと思います。