わたるの日記

教育(学び、小中学校、特別支援など)について

本の紹介:「一本のえんぴつのむこうに」

 「一本のえんぴつのむこうに」という谷川俊太郎さんが書いた本を読みました。この本は、一本のえんぴつが目の前にくるまでには、たくさんの人が関わっていることを教えてくれるお話です。

 材料の黒鉛は〇〇さんがスリランカで掘り出しています。材料の木材は△△さんがアメリカで切り出しています。その切り出された木材を□□さんがトラックで港まで運びます。木材を運ぶ船では××さんが船員に料理を作っています。日本に着いた材料は、山形県にある工場まで運ばれます。●●さんはその工場で届いた材料を使ってえんぴつを完成させます。▲▲さんは文房具屋で子どもたちにえんぴつを売ります。そしてわたしたちの目の前までやってきます。このように、えんぴつはたくさんの人々の関わりのおかげで目のまえに存在するのです。

 黒鉛スリランカで採ったものだということを初めて知りました。また木材は日本ではなくアメリカで採ったものだと知りました。それらの材料は外国からきたものなのです。ということは、外国との関わりがなければえんぴつは日本では存在しないのかもしれません。外国との関わりのおかげで、私たちの身の回りにはえんぴつに限らず、さまざまな物があるのだと改めて気づきました。

 この話を読んだ前と後で「えんぴつ」への感じ方が変わりました。元々はえんぴつに対して特別な感情はありませんでした。「ただそこにえんぴつがあるだけ」という感じです。えんぴつが手元にあるのは多くの人の関わりのおかげだという事実を知った後では様々な思いが現れています。えんぴつを持つと、本で出てきた様々な人の顔が浮かんできます。すると、「雑に扱うと、作ってくれた人に悪いな」「もっと大事に使おう」という思いが出てきます。また、えんぴつのことをよく知ったからなのか、友だちのような親しみの気持ちが出てきました。このように、えんぴつに対して、何も感じなかったのが、温かい気持ちをもつようになったのです。

 この本を読めば、えんぴつに限らず、身近なものに対しての感じ方が変わります。あなたは読んだ後どんな思いが生まれましたか?また教えてください。