わたるの日記

教育(学び、小中学校、特別支援など)について

本の紹介「糸子の体重計」

 私は「糸子の体重計」という本を読みました。いとうみくさんが書いた本です。

 この本は、いつも自分の気持ちに正直に行動している糸子が出てきます。その糸子を中心に5人の子それぞれの思いや考えを描いた物語です。

 好きだなと思ったところは、糸子はいつも明るいところです。食べることが大好きで、食べもののことを考えるといつも元気になります。ちょっと単純すぎるなって思いもありますが、思っていることを人の目を気にせずまっすぐ言えるところがうらやましく感じます。

 最初読んで時まちこのことが嫌いでした。それは友だちが話しかけているのに無視していってしまうし、友だちがダイエットできないとやってもいないのに決めつけたりしたからです。「どうしてそんな態度をとるんだ」という怒りがありました。ただ、町子のことを知るにつれて気持ちが変わりました。町子は幼稚園の時に友だちを信じられなくなる出来事が起こります。それをきっかけに、もう二度と傷つかないようにと、友だち深く関わることを避けるようになってしまったのです。そんな町子も糸子と関わる中で少しずつ素直に心を表す態度をとれるように変わっていきます。冷たい態度はよく思わないけど、町子の背景を知ることで、少しおおらかな気持ちで見れるようになりました。

 滝島くんのところを読んでいてぎくっとしました。それは、母親が離れていくのに向き合わずに行動をとることを恐れていたところです。本当に大事なことに向き合わずにごまかしている。こういうことって自分にもあるなと感じました。本当は傷つきたくないからごまかしていたんだ。この話を読んで本当の自分の気持ちに気づくことができました。滝島くんは最後に行動しようと決断します。私も滝島くんを見習い勇気をふりしぼって必要な行動をとっていきたいです。

 どうして糸子は人と上手に付き合えるんだろう?という問いを持ちました。糸子にもつらい場面があります。でも深く悩みすぎません。またいつも自分にとっての楽しいこと、気持ちをよくしてくれるものを頭に思い描いています。それが食べることなのです。そのことを考えればつらいことがあっても元気になれる。そういったものが人生にあればより前向きに生きられると思いました。時にはそのことをからかわれたりします。ただちゃんと言い返します。そして、だって仕方ないんだもんと受け入れています。こういう風な言動をとれたら糸子みたいになれるかな。まねしていきたいです。

 糸子と周りの子との関わりからはたくさんの気づきを得ることができます。ある子を見て自分と似ているな、周りにこういう子いるな、あの子もこういう考え方しているのかもな、とたくさん考えます。読み終わった時にはきっと今までより周りの人のことを温かい目で見ることができるようになっていることでしょう。また自分の行動を振り返ってこういう風にやっていこうという思いも生まれていることでしょう。ぜひみなさんも読んでみてください。